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ロサンゼルス視察旅行レポート
〜Saddlemen & Performance Machine 訪問〜

Born-Free翌日、ロサンゼルスを拠点とする2つの代表的ブランド「Saddlemen」と「Performance Machine(PM)」を視察しました。

 

Saddlemen Seat


最初に訪れたのは、1987年創業のシートブランド Saddlemen。近年ではパフォーマンス系カスタムに欠かせないシートブランドとして、当社でも非常に人気があります。

従業員数は約200名にのぼり、10〜20年以上勤務する熟練の職人たちも多数在籍。工場内には機械がほとんどなく、唯一大型のカッティングマシンでレザーの型抜きを行うのみ。その後の縫製、貼り付け、仕上げまで、ほぼすべてが職人の手仕事で行われており、「熟練の技」がSaddlemenの品質を支えていることを実感しました。

Saddlemenでは、表皮やステッチカラーを選べるカスタムオーダーシートも好評です。また一日の最大生産数は最大500個にも及び、品番数は5,000以上、常に新しいデザインが生まれています。そのため一見すると工程が複雑で混乱しそうに思えますが、非常に高度なシステムが構築されており、実際にはほとんどミスが発生しないとのことでした。職人の技とテクノロジーの融合が、世界中のライダーのニーズと高い品質を両立できる理由だと感じました。印象的だったのは、社員同士が“ファミリー”として強い絆で結ばれていること。また「Saddlemenで働くことに誇りを持っている」と語る笑顔が印象的で、ここにもモノづくりの原点があると感じました。

 

King of the Baggers レースショップを訪問


工場から車で10分ほどの場所にあるSaddlemenのレースショップにも訪問。ここでは、同社が参戦する「King of the Baggers」やパンアメリカを用いたHooligan Raceのマシンが製作されていました。

ちょうど翌週にレースを控えていたこともあり、専属メカニックによる最終セッティング作業の真っ最中。その様子を間近で見ることができ、“戦うマシン”の迫力に思わず大興奮しました。今回の視察にはメカニックの方も多く、エンジンの仕様やレギュレーションについて、現地メカニックと活発に意見を交わす場面もあり、とても印象的でした。

現地では複数のカスタムバイクも展示されており、カスタムカルチャーとレースカルチャーへの積極的な貢献が、製品開発へとフィードバックされていることを強く感じました。

 

Performance Machine 本社訪問


次に訪れたのは、パフォーマンス系カスタムのパイオニアブランド Performance Machine。同社は、Vance & Hines、Progressive Suspension、Burly Brandといった姉妹ブランドと共に、広大な敷地に集約されています。

まず案内されたのは、その広さに圧倒される製造施設。Saddlemenと異なり、大型のCNCマシンがずらりと並び、最新の生産ラインと巨大な倉庫が整備されていました。見学は駆け足でも1時間以上を要するほどのスケールでした。

中でも印象に残ったのは、徹底された品質管理体制。製品は開発段階から複数の強度試験を経ており、ホイールは自社内に設置された4つの試験機で強度検査が実施されています。通常は外注に頼る工程も、ハーレー用ホイールの第一人者としての“こだわり”で内製化。創業50年を超える信頼は、この徹底した高い品質管理の姿勢に裏打ちされています。

キャリパーに関しても、出荷前にエアリークチェックを実施。「見えない部分にこそ品質が宿る」という思想が徹底されていました。

続いて見学したのはVance & Hinesの製造ライン。コロナ禍を機に倉庫運用や導線の見直しを行い、より効率的な体制に移行しているとのこと。また、シャシダイナモも2基完備され、開発用の車両が10台以上並んでいました。

 

メーカー担当者との交流・「おもてなし」に感動


見学後には、各ブランドの担当者から最新製品の解説を受け、日頃では得られない一次情報を直接共有することができました。そして旅の締めくくりには、LAローカルの人気バーガーショップ「In-N-Out」で昼食。

ブランド担当者とともに楽しい時間を過ごしました。私たちは「おもてなし=日本の専売特許」と思いがちですが、今回の対応はそれ以上でした。PMおよび関連ブランドが日本のユーザーに強いリスペクトを持っていることを深く感じ、私たち自身も気が引き締まる想いでした。

 

終着点での記念撮影 〜Route 66・旅の終わりに〜



最後は、アメリカ横断ルート66の終着点であるサンタモニカ・ピアにて、「Route 66 – End of the Trail」の看板の前で記念撮影。旅の終わりにふさわしい、感慨深い瞬間となりました。

今回も参加者に恵まれ、非常に充実した視察旅行となりました。またぜひ来年も、この学びと刺激に満ちた機会を継続したいと思います。