取扱いメーカー
Baker Drivetrain(ベイカードライブトレイン)は、ハーレーダビッドソン向けの高品質なドライブトレインや関連部品を製造しています。Made in USAに拘り、ハーレーパーツ市場の最前線に立つ米国企業として、常に最先端の技術を製品に反映することを目指しています。
自らの経験やライダーたちの声から得られる着想をもとに開発される製品は、厳格な研究と細部まで妥協のない組み上げ作業によって、最高の品質で提供されます。
ドライブトレインに専念した事業と徹底した品質管理への取り組みにより、ハーレー向けアフターマーケットドライブトレインのトップブランドとしての権威と地位を確立しています。
Baker Drivetrainの歴史は、創業者であるBert Baker(バート・ベイカー)がバイクを盗まれたことから始まります。
ミシガン大学機械工学科に通うバートは、熱狂的なバイク好きでした。技術や構造を理解して新しいものを創造することが好きな彼にとって、機械工学科への進学は必然的なものでした。そしてこのキャリアパスはゼネラルモータース(GM)入社へと繋がります。
マニュアルトランスミッション部門へ配属されたバートは、プロジェクトエンジニアとして才覚を発揮します。そこではトランスミッション製造に必要な知識と技術を得ただけでなく、将来妻となるリサとの出会いもありました。
仕事の傍ら、バートはモトクロスに熱中していましたが、その熱量はやがて友人から譲り受けた93年式ファットボーイに向けられるようになりました。ハーレーオーナーなら誰もがそうであるように彼もそのバイクに夢中になり、時間をかけて少しずつカスタムしていきました。
こうしてVツインの世界に足を踏み入れた彼でしたが、1995 年のデイトナバイクウィークで大切なハーレーが盗まれてしまいます。しかしそれはバイクの神様が与えた、Baker Drivetrain社誕生の種なのでした。
妻となったリサはバイク好きのバートに、盗まれたバイクの保険金でまたカスタムバイクを作ることを提案します。リサの助言によって新たな楽しみを見つけたバートはフレームからハーレーを組み上げましたが、完成したバイクは5速で酷く振動し、まともに運転できませんでした。リアプーリーの丁数を変更し振動は軽減しましたが、パフォーマンスは低下してしまいます。この設計上の問題は、バートにとって解決すべき課題でした。
そこでバートは、本業の知見を活かして、古くから構造が変わらないハーレーダビットソンのトランスミッションを改良しようと試みました。着想を得たのは当時のマッスルカーに採用されていた、オーバードライブギアを備えた6速ミッションです。アイデアはシンプルでしたが、実現には専門知識が必要でした。8か月という長い時間をかけて、彼はいくつかのプロトタイプを練り上げ、6速ミッションが見事に機能することを証明しました。世界中で望まれた製品が完成したと確信した彼はBaker Drivetrainの立ち上げに乗り出します。
ユーザーが求める最高の品質を実現するためには、多額の運転資金が必要でした。そのため貯金口座の資金はもちろん、親戚からお金を借り、クレジットカードは上限まで使い果たし、さらには子供たちの大学のために貯めた資金さえも元手にして、ドライブトレインに集中投資しました。その結果、Baker Drivetrainの製品は高い品質が認められ、ハーレー向けアフターマーケットドライブトレインのトップブランドとしての権威と地位を確立しました。
現在、リサは社長兼最高執行責任者として、バートはエンジニア兼最高経営責任者として会社を運営しています。